アメリカ海兵隊の歴史<119>ハリケーン・カトリーナ被災地救援

〜添付図版等の公開準備中〜

  • 実施期間: 2005年9月
  • 実施場所: アメリカ合衆国
  • 作戦の性格: 国内での水陸両用HA/DR

2005年8月25日、ハリケーン・カトリーナがフロリダ半島に上陸しメキシコ湾に抜けたが迷走し再び29日にルイジアナ州に上陸しルイジアナ州、ミシシッピ州、アラバマ州に大きな被害をもたらした。カトリーナの勢力は8月30日には収まったが、死者1,836名(うちルイジアナ州1,577名)行方不明135名を数え、およそ32万戸の住宅が破壊され、各種被害推計総額は1,080億ドルにのぼった。とりわけルイジアナ州は極めて深刻な被害を受け、ニューオーリンズの8割が洪水で水没した。

9月2日にはニューオーリンズに州兵とともに救援物資が到着し、州兵を中心とした救援活動が開始された。翌日、ブッシュ大統領は軍隊の追加派遣を命じた。それを受けて米軍北部軍は統合任務部隊カトリーナを発足させミシシッピ州シェルビー基地に司令部を設置した。第11海兵遠征隊と第24海兵遠征隊それに第42海兵航空軍が統合任務部隊カトリーナに派出され救援活動に参加した。

それらの海兵隊救援部隊は州軍救援部隊と共同で地方政府の指揮を受けながら救援活動を実施した。海兵隊ヘリコプターは合計745ソーティーの救援出動を実施し、446名の被災者を救助し、1,400名の被災者を避難させ、5,000名以上の人々を搬送した。そして、海兵隊ヘリコプターにより搬送された救援物資は、合計100万ポンドにも達した。また、海兵隊地上部隊により150名が避難させられ、23名の遺体が収容され、1,000ガロンの燃料が搬入され、200万ポンド近くの救援物資が搬送された。

参考文献:太平洋海兵隊司令部より提供された資料

本コラムの著者:“征西府”主幹 Centre for Navalist Studies 北村淳 Ph.D.

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