アメリカ空軍が長射程対艦ミサイルで中国艦隊を撃破する準備を開始

[2025/01/31]

アメリカ空軍は沖縄の嘉手納基地に少なくとも36機以上配備することになる新鋭戦闘機F-15EX “イーグルII”ならびに旧式戦闘機F-15E“ストライクイーグル”に長距離対艦ミサイルAGM-158C“LRASM”を装備させる準備を開始した。空軍に引き続いてアメリカ海軍も空母艦載戦闘機F/A-18E/F“スーパーホーネット”、F−35Cステルス戦闘機、それにP−8海洋哨戒機にLRASMを装備し始めている。

F-15EX(写真:アメリカ空軍SSGT Blake Wiles)

アメリカ空軍が嘉手納に配備するF-15EX戦闘機へのLRASM装備を急いでいるのは、中国軍による台湾への軍事侵攻が発生し、アメリカが台湾を直接軍事的に支援する決断をなした場合に、中国大陸から台湾海峡を台湾に押し渡る軍艦や輸送船などに痛撃を加えるためである。ただし、中国軍の台湾侵攻に即応して沖縄から発進する36機のF-15EXは72発のLRASMで中国艦船を攻撃することができるだけであるから、グアムからの増援機や海軍航空機によるより大量のLRASM攻撃に先立つ、即応緊急攻撃ということになる。もしグアムにLRSAMを装備したB-1爆撃機が多数展開していたならば、B-1爆撃機1機には24発のLRASMが装備可能なため、数百発のLRASMを台湾海峡上の中国艦船めがけて発射することになる。

B−1爆撃機(写真:ボーイング社)

このようにアメリカ空軍の計画は単純ではあるが、中国側も多数のLRASMによる飽和攻撃には警戒を強めている。たとえば中国軍に関係する華北コンピュータ技術研究所はアメリカ軍によるLRSM攻撃によって中国海軍新鋭駆逐艦が撃沈されてしまうシミュレーション結果を学術誌に発表している。

LRASM (写真 ロッキードマーチン社)

ただし、アメリカ海軍関係者の間では、LRASMによる台湾へ進行する中国艦船を片っ端から沈めてしまう計画の大前提は大量(数千発)のLRASMを生産配備することと、亜音速対艦ミサイル攻撃だけでは効果は限定的なため、急遽超音速長距離対艦ミサイルを開発しこれも大量に生産配備しなければならない、と指摘されている。それとともに、沖縄から発進する予定の空軍戦闘機は、おそらくは発進する以前に中国軍弾道ミサイル、長距離巡航ミサイル、極超音速滑空体による沖縄集中攻撃によって全滅される可能性は覚悟しておかねばなるまい、とも危惧されている。

たしかに、アメリカが台湾防衛のために直接軍事力を行使する決断をなした場合、すなわち米中戦争に突入する決断をなした場合、日本政府がアメリカ側に立って中国との戦争に踏み切った場合はもちろんのこと、日本政府が中国との戦争は避けたい意思を表明しつつも日米同盟を尊重するという曖昧かついい加減な姿勢を維持し、アメリカ軍に日本国内の米軍施設を米中戦争中の使用は禁ずる措置を講じなかった場合には、アメリカ海軍関係者が推測するように、直ちに嘉手納基地のみならず沖縄の米軍関係施設ならびに自衛隊関係施設に対する弾道ミサイル、長距離巡航ミサイル、超音速滑空対攻撃が実施されることは確実であり、それを起点として中国軍による対台湾ならびに対日短期激烈戦争(大量の弾道ミサイルや長距離巡航ミサイルによって戦略インフラを短時間で灰燼に帰し継戦能力を喪失させる)が開始されることになるであろう。

    “征西府” 北村淳 Ph.D.

  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次